選挙は行政なのか立法なのか

それによって私にとっての選挙というものは変わってくると思う。行政なら政権は一仕事終えるまで任期期間中は安定している方が良い(安定多数であるべき)し、立法なら国民の少数意見をすくい上げるべき(少数政党が多い方が良い)だ。

今回民主党が勝ったとしても、参院社民党と連携しないと多数を取れないネジレに陥る(政治力で社民党を説き伏せられるなら別だが、そうは問屋が卸さないだろう)。だから民主党は、一年後の参議院議員選挙までに社民党寄りの一派と分裂して、単独政権獲得を目指すだろう。しかしこのとき、民主党の中の小沢党が議席を伸ばしてしまうと、今度は小沢党が民主党を出て、衆参で自民党と結託して安定多数を取るということもあり得る。

政権交代とか言うときの政権というのは、行政としての機能であるはずだ。であれば、きちんと一つなり二つなりの明確なシナリオを、数年間かけてきっちり遂行して欲しい。一方で、議会に少数派の意見が反映されず、十分な議論が成されないのは問題だ。行政の主たる目的は日本を繁栄させることだと思うが、法律は弱者を守るためにある。

我々は政治家に、官僚のボスとして自分たちの意志を粛々と実行して欲しいのか、それとも単に行政のチェック機関としての議会を望むのか。

結局、日本人は二重政権がお好みのように思える。本来は権力機能の切り分けとして考えるべきところを、権威の二重化として捉えているような。その辺の隙間で本質的な物事が決められているような。松岡正剛さんなら、そういう「方法日本」が大好きなんだろうけど、自分は嫌いだな。

その辺がジレンマに感じてもじもじしちゃう。

P.S.
ところで、カルト宗教を少数意見とか言って認める気にはさらさらならないわけだが…。暴動を起こされるよりマシと考えるべきか。