スペクタクル化と(岡田の言う)オタクの弱体化

は、たぶん関連している。そして、オタクの弱体化は今回のような事件を生む。真のオタクは事件など起こさない。そこまで現実や現実の中の自分に興味を持てないからだ。真のオタクにとって、現実とオタク世界は全く別の代物だ。だが、弱体化し、脱オタクなどというEXITさえ意識する現代オタクにとって、両者は常にオーバーラップしている。たとえば20年前の渋谷を思わせる痛々しくファッショナブルな坊やが白ゴスと手を繋いで歩く秋葉原において。現実とオタク世界が融合し始めているからこそ、ダブルスタンダードも起きるし、その狭間で苦しむ人が「反転」した時、どちらの世界も等しく敵となるだろう。